サニーレタスのつぶやき

非常に拙い文章です

レジ袋有料化は無意味である

プラスチックは、非常に便利な素材です。成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高いため、製品の軽量化や食品ロスの削減など、あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。一方で、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もあります。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。

 

このような状況を踏まえ、令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化を行うこととなりました。(プラスチック製買物袋有料化 2020年7月1日スタート(METI/経済産業省)より一部抜粋)

 

廃棄物、資源節約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題に対する策ということで7月1日より始まったレジ袋有料化。

世界の環境保護の意識の高揚を受けて、経済大国日本はその責任を期待された。小学校や中学・高等学校でも地球温暖化の話等はされ、誰もが知っている環境問題。

だが問いたいことがある。

 

果たして意味があるのだろうか

 

答えは、タイトルの通り“NOである。

 

その理由を、「レジ袋を有料化した理由」と共に説明していこうと思う。

 

資源節約にはならない

まず、このブログを閲覧している人達(特にレジ袋有料化賛成派の人)に問いたいことがある。それは

 

なぜレジ袋を有料化したのか

 

これを明確にする必要がある。

 

おそらく多くの人が、資源節約、二酸化炭素排出による地球温暖化対策、海洋プラスチック問題(マイクロプラスチック含む)であろう。

もっともらしい意見だが、これらにはレジ袋有料化をすることによって改善されると思われるような数値データがない。

 

まず「資源節約」について

 

そもそもレジ袋はガソリンや重油等の燃料を取り出した際に残る、ナフサと呼ばれるものから作られる。

このナフサは、石油精製時に必然的に生成されるもので、レジ袋の元となるポリエチレンはその誘導品でこれもまた必然的に生成される。

昔はこれを廃棄しており、その資源を有効利用しているのがレジ袋なのだ。

 

石油は精製するとガソリン、ナフサ、灯油、軽油重油など、に分類される。

その中で最も使われているのはガソリンだ。

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出典(石油の用途)

 

ナフサは今ではものすごく多くの分野で利用されている。その中でレジ袋の使用は一部に過ぎない。

つまり、ナフサ以外の他の石油製品の使用量が減らないと一定量ナフサは出続けるので、他の石油製品への供給が増えるだけなのだ。

 

ではこのナフサをレジ袋に使用せずに環境中に放出したらどうだろうか?

ナフサはそのまま環境中に排出すればCO2よりも強い温室効果を発揮することもあり、プラスチックの原料などに使わなければ燃やされる。レジ袋にしてから燃やしても、ナフサのまま燃やしても、環境中に排出するCO2の量は変わらない。

出典(誰も反対できないレジ袋有料化の蜃気楼(JBpress) - goo ニュース)

 

ご覧の通り、いい結果は得られない。

ナフサのまま焼却処理しても、レジ袋のまま焼却処理しても、CO2排出量は変わらないのだ。

 

必然的に生成されるナフサはレジ袋に使用されなかった場合、他のプラスチック製品に回るか燃やされるかで結局全体の資源の量は変わらないのである。

 

(ちなみに...)

牛がゲップやオナラとして出すメタン(化学式:CH4)はCO2の28倍の温室効果があり、世界の温室効果ガス排出量の16%を占めている。

 

牛1頭がげっぷやおならとして発するメタンガスの量は、1日160〜320リットルに上る。

出典(牛の「おなら」と「げっぷ」を退治せよ──科学者たちの大真面目な温暖化対策 | WIRED.jp)

 

 

環境問題の解決策にもならない

上記で、レジ袋有料化が「資源節約」的意味がなく、また「二酸化炭素排出による地球温暖化」の対策にも懸念があることは判明したが、それ以外にもまだある。以下抜粋

 

燃やしたときに有害ガスが出ると言われているが、基本的にレジ袋は高密度ポリエチレン製であり、二酸化炭素と水が発生するだけで、有害な気体は発生することはまれである。色つきのものは、顔料に金属元素が使われているものもあるが、銅が含まれる濃い緑色のものや、鉛の含まれる濃い黄色のものは、スーパーでは利用されていない。ポリエチレンでも不完全燃焼すれば、発がん性物質であるベンゼンなどが発生する危惧があるが、高温で燃焼焼却すればその可能性は小さい。レジ袋は本来プラスチックであり、不燃物なのだが、フィルム系プラスチックとして、焼却炉の助燃剤として焼却していることもある。プラスチック製の袋は、薄くて発熱量が高く、エネルギー回収も効率的に行うことができる。実はプラスチックは焼却炉の餌になるのである。生ゴミだけ燃やすには、余計に原油が必要となり、逆に資源のムダ使いになるのである。

出典(受賞論文【優秀賞】「レジ袋削減は本当に必要か」 | 中央大学)

 

出典(元記事削除済み)

(https://www.chuo-u.ac.jp/usr/jhs_activity/award/winentries/6th_result/result03/)

 

上記引用の青文字部分に関して、ポリエチレンは理論上、発生するのは水と二酸化炭素、熱エネルギーのみで副生成物としてダイオキシンは生成されるものの人体に影響のある量は発生しないとされている。

参考記事(プラスチックを燃やすと有害物質が出る?|廃プラスチックのゆくえ その5 | プラスチックのリサイクル 20の?(はてな))

 

赤文字部分に関して、日本のゴミ処理施設は最先端であり、「溶解炉」によって、高温の熱によって溶かして無害化する技術がある。

そして何よりレジ袋の助燃性を利用して焼却炉では燃やしており、助燃性等がない時はわざわざ原油(一部では重油)を燃料に炉内の温度を上げて燃やしているのだ。

 

わざわざレジ袋を廃止してレジ袋の元である原油を追加して燃やすことは果たして環境に優しいのだろうか。

 

海洋プラ問題は本質を問うべき

最後、海洋プラスチック問題、マイクロプラスチック問題について触れていきたいと思う。

 

レジ袋賛成派のコメント等を見るとこの海洋プラスチック問題が一番多く見られる。

世界の海に存在しているといわれるプラスチックごみは、合計で1億5,000万トン(※1)。そこへ少なくとも年間800万トン(重さにして、ジャンボジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定されています(※2)。

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海洋に流入する海洋プラスチックの年間推定量は重さにして、最低でもジャンボジェット機5万機分に相当します(※2)。

出典(海洋プラスチック問題について |WWFジャパン)

 

WWFジャパンによると、少なくとも年間800万トンが新たに流入しているという。そしてすでに1億5,000万トンが世界の海に存在している。

 

仮にこれが事実(数字的に怪しいが)だとして、これを解決するのならばプラスチックを規制するのではなく、どのようなルートでなぜ海にプラスチックが流出しているかを知りそこを改善すべきだ。

どこから流出しているのか

 

それは紛れもなくポイ捨てであろう。

 

ポイ捨てされたプラスチックが川を流れて、或いは直接海に辿り着くのだ。

その結果である海洋プラスチック問題を、レジ袋有料化によって解決しようとするのは、「ポイ捨ての行為を生産者にその責任を押し付け、その首を締める」行為である。

 

何より恐ろしいのは、環境問題を考慮して少しでも環境被害を減らそうと開発を重ねたレジ袋が生産者と開発者には対策の難しいポイ捨てという愚行によって「世界がやってるから」とあたかもそれが民意であるかのように、そしてその民意が政治的にまるで「正義感」のように投影され一つの産業に確実に打撃を与えていることだ。

 

なにより数値が伴っていないのも問題だ

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出典(https://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-03/y031203-s1r.pdf)

 

もちろん水際でのポイ捨て対策は難しい。

いちいち監視等をつけるとなると人員もコストもそれだけかかる。

だがそれでもレジ袋有料化が海洋プラスチック問題の解決策になるだろうか?

 

漂着した海洋プラスチックのレジ袋の割合では重量ベースで0.4%、容積ベースで0.3%、個数ベースで0.6%であり、これを対策したところで実質的効果は薄いと言える。

 

水平思考:ウミガメの写真問題

よく海洋プラスチック問題として、ウミガメの写真が出てくる。

特にウミガメの鼻からストローを抜く動画は全世界で配信され、環境意識の高揚へと繋がった。

 

しかしこれに関しても不可解な点がある。

 

インターネット上に海中でウミガメの前に浮遊するレジ袋の写真が多数ありますが、ほとんどが捏造された合成画像です。そのような合成画像を商用販売しているWebサイトもあり、まさに環境ビジネスです。捏造合成画像が、現実以上に海洋ポリ袋ごみが多いと錯覚させ、ポリ袋のみが非難されます。

 

そのような合成画像の効果は強力で、世の中は、往々にして論理ではなく、イメージで動きます。海洋プラごみのうちポリ袋ゴミは、個数ベースでも0.6%です。合成画像は、確率論的に考えても不自然です。そもそも、海水の比重より1割程度低い比重のレジ袋は相当汚れ等が付着しないと海中に沈みません。

出典

(脱プラ、脱ポリ、紙袋へ切り替えをご検討のお客様へ|1958年創業のポリ袋製造業|清水化学工業)

 

ウミガメの画像を検証したサイトもある

http://ocean-wanderer.info/wwwp2/niconicogakkai6poster

 

ウミガメがポリ袋を食べていることは事実であることだが、「それによってウミガメが死んだ」等のミスリードを誘うサイトは少なくない。

実際にはそんなことはなく、だからといって良いわけではないのだが、ポリ袋が原因で死ぬことはない

 

ELNAのストランディング調査(2003年~毎年100頭ほど調査)によると・・・

ウミガメがプラスチック類を食べて死ぬことはない!!のです。(ビニール袋は正確にはポリ袋のこと。ここでは、ポリ袋も含めプラスチック類とします)

出典(ウミガメはビニール袋を食べて死んでいるの??調査でわかること | 認定NPO法人エバーラステイング・ネイチャー)

 

プラスチックの製造を手がける中央化学株式会社ではこのようなことも書かれている

 

プラスチック食品容器は有機高分子材料で出来ているので、誤って食べてしまったとしても、体内で消化・分解・吸収されることなく、そのまま排泄されます。
身近なものだとガムもプラスチックの一種(酢酸ビニル樹脂)ですが、飲み込んだとしてもそのまま排泄され、無害であることはよく知られています。
ただ、大きさや形状によって窒息や器官の一部を傷つける可能性がありますので注意が必要です。

出典(よくあるご質問 « プラスチック食品容器の事なら中央化学株式会社)

 

プラスチックの製造を手がける中央化学株式会社では、誤飲しても問題ないという考えを示しており、生物の体内から大量のプラスチックが出てきている画像には全てではないものの不可解な点が拭えない。

 

マイクロプラ問題を結論づけるにはまだ早い

 

近頃、マイクロプラスチックというのが目につく。

マイクロプラスチックとは、非常に小さく肉眼で見ることが難しいもののことである(5mmより小さい粒子と定義している研究者もいるらしいので定義自体は曖昧)

 

「マイクロプラスチック」という言葉がよく使われるようになったのは2004年のサイエンス誌に「Lost at Sea: Where Is All the Plastic?」というタイトルの論文が出てからです。

出典(マイクロプラスチックとは(基礎知識) | ウォータースタンド株式会社)

 

引用の通り「マイクロプラスチック」という言葉自体、使われ始めたのは近年でその実態と環境や人体に及ぼす影響はまだ詳しく判明していない。

 

マイクロプラスチックの人体への影響について世界保健機関(WHO)によると

 

マイクロプラスチック問題に関する初の報告書によると、WHOは、大きな粒子と、小さな粒子のほとんどが、体内で吸収されることなく排出されると確認した。しかしこれは、「限られた情報」に基づいたものだという。

出典(飲料水のマイクロプラスチックは「健康リスクなし」=WHO - BBCニュース)

 

このように人体への影響については先程提示した中央化学株式会社の出典と併せて影響は「今のところ」ないとされている。

 

まだマイクロプラスチックの実態はさまざまな論文が出ておりその毒性等については、未知数である。

 

つまり、「未だに判明していないマイクロプラスチックについて健康被害や環境汚染の観点から話すことはまだ早く、信頼性のある論文が出てからでも遅くはない。」というのが私の主張だ。

 

 

まとめ

ここまでレジ袋有料化についての主張をまとめたわけだが、レジ袋有料化の意義と理念に関しては十分に賛同できる。

もちろん、この有料化で環境への意識が高まったことは事実だろう。

 

しかし、具体的な数値を国は出すべきである。

具体的な数値を出さずにただ漠然と「世界がやっているから」と便乗しているのではなにもセクシーではない。

 

その有料化の対象となった産業のことを考えると胸が痛む。

 

一般的な常識を備えた我々の環境意識の向上は簡単ではあるが、俗に言うポイ捨てをする人の環境意識の向上は簡単ではない。

 

我々が糾弾すべきは決して生産者ではないことを今一度理解する必要があるのではないだろうか。

 

 

 

今回の記事を書くにあたって参考にさせていただいた方。(掲載許可済み)

 

ゆっくりゴシップちゃんねる 様

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参考にさせていただいた動画

前編(https://youtu.be/rAcmb0262hk)

後編(https://youtu.be/o5n-75Wuclo)